わかりやすく言えば、債務名義とは債権が存在することを証明し、強制執行を行ってもよいと裁判所が許可した文書のことです。
裁判などで紛争が解決した時に、判決が下されますが、この場合は判決が債務名義になります。
債務名義には、請求権、当事者、対象となる財産から責任の限度までが記載されます。
わかりやすく言えば、債務名義とは債権が存在することを証明し、強制執行を行ってもよいと裁判所が許可した文書のことです。
裁判などで紛争が解決した時に、判決が下されますが、この場合は判決が債務名義になります。
債務名義には、請求権、当事者、対象となる財産から責任の限度までが記載されます。
債務名義となるためには、相手側に一定の給付を命じる内容でなければなりません。
例えば、「金○○円を支払え」「家屋を明け渡せ」といった命令形の内容で、反対に「金〇〇円の債務を負うものと確認する」というような確認だけで命令を伴わない内容の場合は、債務名義になりませんので注意が必要です。
原告と被告が訴訟で争い、裁判所から下されるのが判決です。
債務名義となるためには判決が確定されていなければなりません。
つまり、被告側が控訴せずに終了し確定した判決、もしくは控訴しても却下、または棄却され確定した判決です。
ただし、判決が確定するまでの間、相手が財産を隠してしまう可能性もあります。
そこで、「仮に執行してもよい」という仮執行宣言が付けば、判決が確定していなくても債務名義となります。
訴訟を提起し、判決に至る前に当事者が歩み寄って紛争が終結することを裁判上の和解といいます。
裁判上の和解には、訴え提起前の和解と訴訟上の和解がありますが、いずれの場合でも和解が成立すれば和解調書という文書が作成されます。
こうした和解調書も債務名義になります。
訴訟という形式をとらず、民事調停という手続きに従い、当事者と裁判所の調停委員が同席して話し合い、紛争を解決することを調停といいます。
この調停で双方が合意した内容は、調停調書という文書にまとめられます。
この調停調書も債務名義になります。
相手が債務の存在を自覚しているにもかかわらず、支払いに応じないというような場合は、訴訟という手段によらず、裁判所から督促をしてもらう制度が支払督促です。
裁判所から送達される支払督促に対し、債務者が承諾しない場合は、送達を受けてから2週間以内に「督促異議の申立て」ができます。
2週間を経過しても相手から「督促異議の申立て」が無ければ、さらに「仮執行宣言」を付けてもらえます。
この仮執行宣言付支払督促は債務名義となり、送達後2週間経過後に強制執行を行えます。
しかし、相手から督促異議の申立てが行われると、通常の訴訟に移行してしまいますので、支払督促を申し立てる際には見極めが重要です。
当事者間で合意した契約内容は、万が一に備えて公証役場で公正証書にしておく場合があります。
特に、金銭の支払いと手形、小切手などの有価証券の請求において、債務者が債務を履行しない場合はただちに強制執行を受けても意義がないことを示した執行受諾文言が記載されているものを「執行証書」といいます。
この公正証書も債務名義になり、もし相手が支払わなかった場合でも、訴訟を経ず強制執行を行うことができます。