送達証明書の申請などの手続き方法について

ヘッダー背景

送達証明とは?

執行文が付与された債務名義のことを「執行力のある債務名義の正本(執行正本)」といいます。

強制執行を行うには、この債務名義の正本をそろえるだけでは不十分で、それらの書類を相手に送達したことを証明する必要があります。

債権者の申立てによって実施される強制執行において、相手にどのような債務名義に基いて行われるのかをあらかじめ周知させなければならないからです。

例えば、すでに弁済済みという行き違いを防ぐため、また、あらかじめ告知することにより、弁済や反論の機会を相手に与える目的があります。

さらに訴訟等を担当した裁判所と執行を担当する裁判所は別のこともありますので、債務名義の正本の送達が行われたことを執行機関に証明しなければなりません。

この証明する書類を送達証明書といいます。

判決文、支払督促状、訴訟上の和解調書は、裁判所から職権で被告宛てにも送られますが、調停調書については、調停成立後、裁判所の書記官に申請しなければ送られませんので注意が必要です。

なお、動産執行を行う場合は、開始と同時に執行官が現場ですればよいことになっています。

また、不動産執行債権執行の場合には、送達が裁判所の差押命令や開始決定の裁判の前提条件となりますので、事前に送っておくことが必要となります。

送達証明の手続き

まず送達機関に債務名義の正本を送ってもらい、その後、送達証明の申請を行うという流れになります。

送達機関

債務名義に種類によって、機関が異なります。

判決、和解調書等
裁判所書記官
執行調書
原本を保管している公証役場の公証人

実際に届けるのは郵便局員や執行官ですが、あくまで裁判所書記官や公証人から委託されているのであり、郵便局や執行官が送達機関ではありません。

送達申請

債務名義の送達は、裁判所の職権で行われる場合もありますが、基本的に債権者の申請によって行われます。

申請は、上記各機関に対して行います。

送達証明書の申請

裁判所あるいは所属の執行官に対して、150円の印紙を貼った申請書を2通提出します。

そのうち1通の末尾の余白部分に、書記官や執行官が「右証明する」という文言を記入し、押印して返してくれます。

これが送達証明書になります。

このため、申請書の末尾には、余白を残しておいた方がいいでしょう。

送達方法

交付送達
債務名義を直接債務者に手渡しで交付する方法
書留郵便
交付送達ができない場合に、債務者の住所地に郵便で送る方法
公示送達
債務者の行方が不明で、送り場所も不明な場合に、債務者が出頭すればいつでも交付する旨を裁判所の掲示板に掲示することにより交付したとみなす方法
特別送達
判決や執行証書の交付のため、郵便法で定められた特別な郵送方法
執行官送達
特別な場合に執行官が直接届ける方法